生活保護(せいかつほご)
生活保護とは
生活保護(せいかつほご)とは、日本の憲法に規定する理念(生存権)に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに自立を助長することを指します。
生活保護の原則
世帯単位の原則
- 生活保護は世帯を単位として要否を判定し、その程度を決定する。
補足性の原則
- 生活保護は、資産・能力や、他の法律による援助や扶助などその他あらゆるものを生活に活用してもなお、最低生活の維持が不可能なものに対して適用される。
- 民法に定められた扶養義務者の扶養、その他の扶養は生活保護に優先して実施される。
無差別平等の原則
- 生活保護は、生活保護法定める補足性の要件を満たす限り、すべての国民に無差別平等に適用される。
申請保護の原則
- 生活保護は原則として要保護者の申請によって開始される。申請権は、要保護者本人はもちろん、扶養義務者や同居の親族にも認められている。ただし、急病人等、要保護状態にありながらも申請が困難な者もあるため、法は急迫保護(職権保護)が可能な旨を規定している。
生活保護の種類、分類
- 医療扶助
- 生活困窮者が、けがや病気で医療を必要とするときに行われる扶助。原則として現物支給により行われ、その治療内容は国民健康保険と同等。医療扶助は生活保護指定医療機関に委託して行われるが、場合により指定外の医療機関でも給付が受けられる。予防接種などは対象とならない。
- 介護扶助
- 要介護または要支援と認定された生活困窮者に対して行われる給付。原則として、生活保護法指定介護機関における現物支給。介護保険とほぼ同等の給付が保障されているが、現在普及しつつあるユニット型特養、あるいは認知症対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護は利用料の面から制限がある。
- 教育扶助
- 生活に困窮する家庭の児童が、義務教育を受けるのに必要な扶助。教育費の需要の実態に応じ、原則として金銭で支給。
- 住宅扶助
- 生活困窮者が、家賃、間代、地代などを支払う必要があるとき、及びその補修、その他住宅を維持する必要があるときに行われる扶助。原則として金銭で支給。
- 出産扶助
- 生活困窮者が出産をするときに行われる給付。原則として金銭で給付。
- 生活扶助
- 生活困窮者が、衣食、その他日常生活の需要を満たすための扶助。飲食物費、光熱水費、移送費などが支給。主に第一類と第二類に分け計算され、第1類が個人ごとの飲食や衣服・娯楽費などの費用、第2類が世帯として消費する光熱費など。
- 生業扶助
- 生業に必要な資金、器具や資材を購入する費用、または技能を修得するための費用、就労のための支度費用などが必要なときに行われる扶助で、原則として金銭で給付。
- 葬祭扶助
- 生活困窮者が葬祭を行う必要があるとき行われる給付。原則として、金銭で給付。
これらの扶助は、要保護者の年齢、性別、健康状態などその個人または世帯の生活状況の相違を考慮して、1つあるいは2つ以上の扶助を行われます。
生活保護実施機関
保護施設
保護施設を設置できる団体
- 都道府県
- 市町村(都道府県知事への届出が必要)
- 社会福祉法人
- 日本赤十字社
保護施設の種類、分類
- 医療保護施設
- 救護施設
- 更生施設
- 宿所提供施設
- 授産施設
日本の生活保護の対象者
- 日本国籍を持つ者
- 正当な理由で日本国内に住む外国籍の者
先進国で外国籍の者を生活保護対象にしている国は少ないです。
- 日本の生活保護世帯数
- 約100万世帯
被保護者の権利、義務
- 公課禁止
- 受給された保護金品を標準として租税やその他の公課を課せられることはない。
- 指示などに従う義務
- 保護の実施機関が、被保護者に対して生活の維持・向上その他保護の目的達成に必要な指導や指示を行った場合や、適切な理由により救護施設等への入所を促した場合は、これらに従わなければならない。
- 譲渡禁止
- 保護を受ける権利は、他者に譲り渡すことができない。
- 生活上の義務
- 能力に応じて勤労に励んだり支出の節約を図るなどして、生活の維持・向上に努めなければならない。
- 届出の義務
- 収入や支出など、生計の状況に変動があったとき、あるいは居住地または世帯構成に変更があったときは、速やかに実施機関などへ届け出なければならない。
- 費用返還義務
- 緊急性を要するなど、本来生活費に使える資力があったにも関わらず保護を受けた場合、その金品に相当する金額の範囲内において定められた金額を返還しなければならない。
- 不利益変更の禁止
- 正当な理由がない限り、すでに決定された保護を不利益に変更されることはない。
生活保護問題
- 意識問題
- 受給している人と受給していない人の意識の差が大きい。
- 生活保護の不正受給
- 何らかの方法によって、元来受給資格要件を満たしていないにも関わらず受給すること。また実際に支給されるべき金額以上の保護費を不正に受給すること。
- 在日コリアンによる不正受給疑惑問題
- 在日韓国・朝鮮人による生活保護の不正受給疑惑。実際、人口比における在日朝鮮・韓国人家庭の生活保護受給率が異常に高い。
- 申請権の絶対性
- 生活保護法は保護を請求する権利を無差別平等に保障しており、また、行政手続法第7条では 「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければなら」ないと定められている。
- 生活保護の地域較差
- 保護率(人口に対する生活保護受給者数の割合)の地域較差。大阪府、東京都、長野県などが高く、富山や島根は低い。
- 生活保護費見直し問題
- 厚生労働省の生活保護見直し検討会議は現在、生活保護を受けている家庭より所得が低く、貧窮している家庭の増加などを考慮し、生活保護費のうち、主に生活扶助の食料費などを減額していく見通し。
- 担当職員への暴力行為
- 生活保護担当職員に対する行政対象暴力の頻発。
- 保護水準の妥当性
- 生活保護を受けている方が働くよりも収入が増える場合が多い。しかし、現在生活保護を受けていない低所得層の多くは、実は生活保護の受給要件を満たしており、申請すれば生活保護が開始されるにもかかわらず、生活保護基準や制度について学校で教えることも無く、行政からも十分に告知されていないため正しい知識が普及せず、本来生活保護を受けられるのに受けていない人たちや受けられないのに受けようとする人が大量に存在する。
- 水際作戦
- 水際作戦とは、保護申請の受付窓口である福祉事務所が、生活保護の受給を窓口という「水際」で阻止し、違法に保護申請の受け取りを拒否した作戦。
生活保護訴訟
|
|