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保釈

保釈とは

保釈(ほしゃく、bail)とは、住居限定や保証金の納付を条件として、勾留されている被告人の身柄の拘束を解く制度です。



保釈の概説(まとめ)

勾留の目的は罪証の隠滅を防ぎ、公判や刑の執行への出頭を確実にすることにあります。

このような目的を達するには、直接、被告人の身柄を拘束する方法以外にも、約束に違反した場合には金銭を没収するという心理的な強制を加える方法でも可能です。

また一方で、被告人を拘束し続けることは、社会復帰を阻害することになりかねないという欠点があります。

保釈制度の趣旨は、被告人の出頭確保などによる刑事司法の確実な執行と、被告人の社会生活の維持との調整を図ることにあります。



保釈の種類

権利保釈(請求保釈、必要的保釈)
保釈請求権者(勾留されている被告人、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹)から請求があった場合は、裁判所は保釈を許可しなければならない。ただし、次の6つの場合は、裁判所は請求を却下することができる。また、禁固刑以上の判決が出た場合は権利保釈は認められない。
  1. 死刑、無期または短期1年以上の懲役・禁固に当たる罪を犯した場合。「短期1年以上」とは、「2年以上の懲役に処する」など、法定刑の刑期の下限が1年以上であることをいう。
  2. 過去に、死刑、無期又は長期10年を超える懲役・禁錮に当たる罪について有罪判決を受けたことがある場合。「長期10年を超える」とは、「15年以下の懲役に処する」のように、法定刑の刑期の上限が10年を超えることをいう。
  3. 常習として、長期3年以上の懲役・禁固にあたる罪を犯した場合
  4. 罪証隠滅のおそれがある場合
  5. 被害者や証人に対し、危害を加えるおそれがある場合
  6. 氏名または住所が明らかでない場合
裁量保釈(職権保釈)
裁判所は、請求がなくても、裁量で保釈を許すことができる。もっとも、実務上は、弁護人などからの保釈請求があった場合に、裁判所が、89条4号などにあたるとしながらも、諸般の事情に照らして保釈を許す場合に用いられ、請求がないのに職権で保釈する運用はされていない。
義務的保釈
勾留による拘禁が不当に長くなった場合は、裁判所は保釈を許さなければならない。


保釈の手続

保釈請求

保釈は、裁量保釈も含め、弁護人などの請求に基づいて行われるのが一般的です。

保釈の請求先は、次の通りです。

起訴〜第1審における第1回公判期日前まで
裁判官
第1審の第1回公判期日から高裁に記録が到着するまで
第1審の裁判所
高裁に記録が到着してから最高裁に記録が到着するまで
控訴審の裁判所
最高裁に記録到着後
上告審の裁判所

保釈許可決定

裁判所(裁判官)は、保釈の許否を決定する前に、検察官による請求による場合と急速を必要とする場合を除いて、検察官の意見を聴かなければなりません。

保釈を許す場合は、保釈保証金(保釈金)の額を決めます。

保釈保証金の金額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性格・資産を考慮して、被告人の出頭を保証するのに過不足ない額を算出します。

大抵は保釈される被告人の逃亡のおそれがないような金額が設定されます。

また、保釈後の住居(制限住居)を指定するなどの条件を付けることができます。


身柄の釈放

保釈が許可され、定められた保釈保証金を裁判所に納付した場合は、身柄が釈放されます。

保釈保証金の納付前には身柄を釈放することはできません。

保釈保証金は、現金で納付するのが原則です。

ただし、特に裁判所の許可があった場合は、有価証券または裁判所の適当と認める被告人以外の人の差し出した保証書をもって保証金に代えることができます。


保釈の取消し

以下のような場合は、裁判所は保釈を取り消すことができ、保証金の全部又は一部を没取(ぼっしゅ、ぼっとり)することができます。

  1. 正当な理由なく出頭しない場合
  2. 逃亡した、または、逃亡のおそれがある場合
  3. 罪証を隠滅した、または、隠滅のおそれがある場合
  4. 被害者や証人に危害を加えた、または、危害を加えるおそれがある場合
  5. 住居の制限などの保釈の条件に違反した場合

保釈が取り消されると、被告人は収監されることになります。


保釈の失効

禁固以上の刑に処する判決(実刑判決)の宣告があったときは、保釈が失効するため、被告人は収監されることになります。

ただし、控訴・上告に伴い、裁判所は再び保釈をすることができます。

この場合、権利保釈の適用はありません。

なお、上級審での再保釈時の保釈保証金は、下級審で未還付の保釈保証金をその一部にあてることができます。



保釈保証金

保釈保証金とは、身柄を釈放する代わりに、公判への出頭などを確保するために、預けさせる金銭です。


没取

保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保釈保証金の全部または一部を没取することができます。

没取とは、国庫に帰属させることです。


還付

没取されなかった保釈保証金は、裁判が終わった段階で還付されます。

具体的には、次の場合に保証金を還付します。

  • 勾留が取り消され、または勾留状が効力を失ったとき
  • 保釈が取り消され、または効力を失ったため被告人が刑事施設に収容されたとき
  • 保釈が取り消され、または効力を失った場合において、被告人が刑事施設に収容される前に、新たに、保釈の決定があって保証金が納付されたときまたは勾留の執行が停止されたとき

金額

100万円未満
約1%
100万円以上150万円未満
約15%
150万円以上200万円未満
約35%
200万円以上300万円未満
約32%
300万円以上
約17%

保釈率

地裁
約13%
簡裁
約6%


  




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