新司法試験
新司法試験とは
新司法試験(しんしほうしけん)とは、法曹資格付与のための試験の一つであり、平成14年法律第138号による改正後の司法試験法に基づいて行われる資格試験です。
平成14年法律第138号附則6条2項にて、同法による改正後の司法試験法の規定による司法試験を新司法試験と定義しています。
新司法試験は平成18年度から開始され、平成18〜23年までの制度移行期においては、新司法試験と従来の制度による旧司法試験とが併存しています。
新司法試験に合格した人は、司法修習を行い、さらに司法修習の最後にある司法修習生考試(二回試験)を通過することで法曹になることができます。
新司法試験の受験資格
移行期間においては、新司法試験を受験するためには、法科大学院課程を修了することが必須条件です。
移行期間終了後は旧司法試験が廃止され、法科大学院を修了していない人は予備試験を受験して新司法試験の受験資格を得ることになります。
3回の受験制限規定においては、法科大学院修了前2年間の旧司法試験の受験についてもカウント対象となります。
新司法試験の制度の概説(まとめ)
短答式試験
短答式試験は、法曹になろうとする人に必要な専門的な法律知識および法的な推論の能力を持つかどうかを判定するために行われる試験であり、5月中旬に行われる試験の初日に行われます。
絶対的評価(各科目とも満点の40%以上が必要で、総合で満点の約65.7%以上が必要により短答式試験の合否が決せられます。
論文式試験は短答式試験の翌日以降に行われることから、短答式試験の合否は論文式試験開始の時点では明らかになりません。
そのため、新司法試験の受験者は全員論文式試験も受験しますが、短答式試験に不合格の人については論文式試験の採点はされません。
マークシートを用いて行われ、試験中の参照物は認められません。
- 公法系科目(憲法および行政法)90分 100点 約50問
- 民事系科目(民法、商法および民事訴訟法)150分 150点 約75問
- 刑事系科目(刑法および刑事訴訟法) 90分 100点 約40〜50問
論文式試験
論文式試験は、法曹となろうとする人に必要な専門的学識および法的な分析、構成および論述の能力を持つかどうかを判定するために行われる試験です。
日程は、5月下旬の3日間(短答式試験の翌日・3日後・4日後)です。
2日日:選択科目(3時間、2問、計100点満点)公法系科目(4時間、2問、計200点満点)
3日目:民事系科目第1問(2時間、100点満点) 民事系科目第2問(4時間、200点満点)
4日目:刑事系科目(4時間、2問、計200点満点)
文章にて解答する形式で行われます。
選択科目は、次の8科目から1科目を選択します。
- 倒産法
- 租税法
- 経済法
- 知的財産法
- 労働法
- 環境法
- 国際関係法(公法系)(国際法(国際公法)、国際人権法および国際経済法)
- 国際関係法(私法系)(国際私法、国際取引法および国際民事手続法)
法律上の論点を含む比較的長めの事例が与えられ、それに対する法的判断を問われるものが中心です。
参照物として、「新司法試験用法文」とよばれる最小限の条文のみが記載された小型六法が貸与されます。
論文式試験においても最低必要点が設定されており、1科目でも満点の25%に満たない場合には不合格となります。
合格判定
短答式試験の合格者の中から論文式試験のみで不合格となった人を除外したうえで、短答式試験の成績と論文式試験の成績を総合評価して合格者を決定します。
短答式試験と論文式試験の比重は1:4とし、判定に当たっては論文式の素点に1.75倍したものに短答式の素点を加算して判定します。
合格発表以降
合格発表は、9月下旬になされます。
合格者は、司法修習生に採用された後、11月下旬より約10ヶ月間の実務修習を受けます。
このうち8ヶ月間は、民事裁判修習、刑事裁判修習、検察修習、弁護修習にあてられます。
残りの2ヶ月間は、選択型実務修習として、司法修習生各人の希望を踏まえ、総合的な法曹実務を修習することとなります。
その後、2ヶ月間、最高裁判所付属の司法研修所(埼玉県和光市)で集合研修を受けます。
そして、裁判所法67条1項の国家試験(司法修習生考試)を受け、これに合格すれば法曹となる資格を得ます。
司法試験予備試験
司法試験予備試験は、旧司法試験の廃止に伴って、2011年以降に実施される予定の試験です。
法科大学院を修了せず新司法試験を受験するには予備試験の受験が必要です。
受験制限は無く、短答・論文・口述の3種を受験します。
合格すると新司法試験の受験資格を得られます。
3回の不合格あるいは5年間で受験資格は失われます。
科目は短答式が憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教育科目の8科目、論文式が憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教育科目、法律実務基礎科目の9科目、口述が法律実務基礎科目です。
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