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黄変米


黄変米とは

黄変米(おうへんまい)とは、人体に有害な毒素を生成するカビが繁殖して黄色や橙色に変色した米です。

主にペニシリウム属のカビが原因となります。

カビ自体は有害ではありませんが、カビが作り出す生成物が肝機能障害や腎臓障害を引き起こす毒素となります。

カビ毒をマイコトキシンと総称しますが、一般に高温に強く分解が困難なため加熱殺菌によりカビ自体を死滅させても毒素は無毒化されずに残ります。

黄変米は、カビの拡散を防ぐため、毒素を分解させるため、高温で焼却して廃棄するのが最善の処理方法です。



黄変米の原因真菌(カビ)

ペニシリウム・イスランディクム(ペニシリウム・イスランジウム、ペニシリウム・イスランジクム、ペニシリウム・イスランジカム)
毒素としてシクロクロロチン(イスランジトキシン)、ルテオスカイリンを生成し、肝機能障害・肝硬変・肝臓癌を引き起こす。

ペニシリウム・シトリヌム( ペニシリウム・シトリナム)
毒素としてシトリニンを生成し、腎機能障害・腎臓癌を引き起こす。

ペニシリウム・シトレオビライデ(ペニシリウム・シトレオビリデ、ペニシリウム・トキシカリウム)
毒素としてシトレオビリジンという神経毒を生成し、呼吸困難・痙攣を引き起こす。


黄変米事件(おうへんまいじけん)

日本では戦後の食糧難の時代に外国から大量の米が輸入され、国民への配給が行われていました。

1951年12月にビルマ(現 ミャンマー)より輸入された6,700トンの米を横浜検疫所が調査したところ、1952年1月13日に約1/3が黄変米であることが判明し、倉庫からの移動禁止処分がとられました。

すぐに厚生省(現 厚生労働省)の食品衛生調査会で審議され、黄変米が1%以上混入している輸入米は配給には回さない事が決められました。

基準を超えた米は倉庫内に保管されましたが、その後も輸入米から続々と黄変米が見つかり在庫が増え続けました。

配給米の管理を行っていた農林省(現 農林水産省)は処分に困り、黄変米の危険性は科学的に解明されていないとして、当初の1%未満という基準を3%未満に緩和し配給に回す計画を立てました。

この計画が外部に漏れ、新聞が1954年7月にスクープしたことで世論の批判が起こり、黄変米の配給停止を求める市民運動などが活発化しました。

在野の研究者も黄変米の危険性を指摘しましたが。政府は配給を強行し、配給に回されなかった米についても加工材料として倉庫から出荷しようとしました。

この直後に厚生省の主導で黄変米特別研究会が組織され、農林省食料研究所の教授などが黄変米の研究を開始しました。

研究会では、極めて短期間に黄変米の高い毒性が解明されました。

研究会の成果と、世論の強い反発のため黄変米の配給は継続できなくなり、同年の10月には黄変米の配給が断念されました。

このため、黄変米の在庫は増え続け、窮地に陥った政府は1956年2月に明確な安全性の根拠が無いまま、黄変米を再精米し表面のカビを研り落として配給を行う政策を再度発表しました。

しかし、黄変米の在庫は減らず長期にわたって倉庫に保管され続け、結局は再精米の上で家畜の飼料など食用以外の用途として10年間の間に処分されたといわれます。



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