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有毒渦鞭毛藻


有毒渦鞭毛藻とは

有毒渦鞭毛藻(ゆうどくうずべんもうそう、toxic dinoflagellate)とは、毒素を産生する能力を持った渦鞭毛藻です。

毒を産生する藻類は珪藻・ラフィド藻・ハプト藻などの各分類群に見られますが、渦鞭毛藻のそれは特に種類が豊富であり、また微量でも著しい生理活性を示します。



有毒渦鞭毛藻の概説(まとめ)

渦鞭毛藻は海域・淡水域共に広く分布する植物プランクトンです。

渦鞭毛藻の約半分は光合成を行う独立栄養生物であり、生態ピラミッドの最底辺に位置します。

残りの半分はバクテリアや他の藻類を捕食する従属栄養生物ですが、より大型の生物に捕食される点は同じです。

有毒渦鞭毛藻にも独立栄養性のものと従属栄養性のものの双方が含まれます。

有毒渦鞭毛藻を魚類や貝類が捕食すると、産生された毒素が分解されずに捕食者に蓄積されることがあります。

毒素を蓄積した魚介類は貝毒やシガテラといった食中毒の原因となります。

有毒渦鞭毛藻には水環境の富栄養化などにより赤潮を形成する種もあり、大発生した場合には特に問題視されます。

船舶の航行増加と高速化に伴い、バラスト水によって他水域から持ち込まれる(持ち出される)有毒渦鞭毛藻も増加しています。



有毒渦鞭毛藻の分類、種類

  • 魚介類に直接作用するもの
  • 下痢性貝毒
  • 神経性貝毒・シガテラ毒
  • 麻痺性貝毒


主な有毒渦鞭毛藻

Alexandrium 属
麻痺性貝毒(PSP)を産生する渦鞭毛藻。日本近海で貝毒を引き起こす代表的な属。細胞表面に鎧板を持つ球形に近い渦鞭毛藻で、複数の個体が縦に連なって連鎖群体を形成する。アレキサンドリウム・タマレンセは南限が順次南下しており、90年代以降は瀬戸内海〜九州地方でも確認されている。逆に瀬戸内を中心に分布していた A. catenella Balech は、分布域が北上する形で日本全域に広がりつつある。また1999年以降、A. tamiyavanichii Balech が西日本近海まで到達しており、貝毒を引き起こしている。
Dinophysis 属
下痢性貝毒(DSP)を産生する渦鞭毛藻。細胞の上部に環状翼と呼ばれる溝があり、そこから縦軸方向に縦溝翼(縦溝翼片)と呼ばれる背びれ様の構造を持つ。それぞれの溝に鞭毛があり、これを用いて遊泳する。培養が困難な渦鞭毛藻。毒素はディノフィシストキシンと呼ばれるオカダ酸の誘導体群である。Dinophysis 属には葉緑体を持つ種と持たない種の両方が含まれるが、ディノフィシストキシンを産生するのは独立栄養の葉緑体を持つ種。
Gymnodinium 属
麻痺性貝毒を産生する渦鞭毛藻。本邦近海では G. catenatum Graham などが出現する。
Ostreopsis 属
O. lenticularis や O. siamensis がパリトキシンを産生する。
Prorocentrum 属
付着性の P. lima (Ehrenberg) Dodge がオカダ酸を産生する。この藻類はシガテラの発生域に多く分布している。
Protoceratium 属
下痢性貝毒であるイェッソトキシンを産生する渦鞭毛藻。 P. reticulatum Butschli が産生元。
Protoperidinium 属
P. leticulatum など一部の種が下痢性貝毒であるアザスピロ酸を産生する。


有毒渦鞭毛藻の対策法(対処法)

赤潮のような有毒渦鞭毛藻の大量発生時には、種の早期識別が要求されるとともに魚介類への餌止め、可能であれば赤潮からの避難が行われます。

渦鞭毛藻の識別は光学顕微鏡による観察のほか、リボソームRNAをターゲットとした蛍光プローブによるFISH法なども開発されています。

ただし魚介類の毒化は赤潮を伴わずに起こる場合もあり、毒化の予防や予測は困難です。

最終的には各都道府県の登録検査機関が水産物に対して貝毒検査を行い、毒素の有無を判別しています。



有毒渦鞭毛藻の病院での検査、治療科

  • 内科


  




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