日時計
■ 日時計とは
日時計(ひどけい、sundial)とは、影を利用して視太陽時を計測する装置です。
紀元前3000年、古代エジプトで使われていましたが、起源はさらにその前の古代バビロニアにさかのぼると考えられます。
古代ギリシア及び古代ローマで改良され完全なものができました。
これはアラビアに伝えられました。
のちに、機械時計が発明されると、それにとってかわられました。
現在は、主に庭園や建造物の装飾の一部として設置されます。
■ 日時計の設置
日時計は緯度によって、指針を傾ける角度を変更しなければなりません。
大量生産された日時計は、設置場所に合わせて角度を変更する必要があります。
日時計の指針の角度が固定されていて変更できない場合は、文字盤そのものを傾けて設置することにより補正します。
完全に正確に動作させるには、日時計の指針は正確に天の北極(ほぼ北極星の方向)または天の南極を向かせる必要があります。
日本国内では方位磁針の北は、天の北極から数度ずれているため、磁針を使って設置することは推奨されません。
視太陽日は完全には一定ではありません。
これは、地球と太陽の距離や、地球の運動速度が一定でないことに起因します。
これによる補正は最大で16分29秒になります。
補正用の表は「均時差表」として日時計に添付され、当日の日付が分かると、日時計の示す時刻から何分加算または減算すればよいかわかるようになっています。
日時計の示す時刻は、設置場所の時刻ですが、日本国内ではこれを日本標準時(明石時刻)に調整する必要があります。
日本標準時との差は、設置者が計算しなければなりません。
5°ごとに20分の差が生じます。
固定式日時計では、この差は均時差表の中に組み入れるか、文字盤の時刻をずらすことにより修正します。
■ 日時計の形態
- 庭日時計(水平式日時計)
- 最も一般的な日時計。文字盤の目盛りは垂直式と同じく三角関数を使用して計算されるため均等にならない。原理は垂直式日時計と同じ。文字盤は地面と平行に取り付ける。地面そのものに設置するのではなく、台をつくりこの上に設置することで、見やすくなる。文字盤をガラス板などで作り、高い地点に設置することにより、下方から見上げるよう設計する方法もある。太陽さえ出ていれば、1台で日の出から日没まで使用できる。
- コマ形日時計
- 最も単純な日時計は、板の上に垂直に棒を1本立てたもの。このまま指針を天の北極に向ける。文字盤の目盛りが均等になるという表示上の利点がある。
- かげぼうし日時計(アナレマチック日時計、カルジオイド日時計)
- 柱型日時計の一種。指針が固定されていないのが特徴。日付により指針を立てる位置を若干微調整することにより、正確な時刻を求めることができる。多くの場合、観測者自身が文字盤に書かれた日付の上に立ち、その影が時刻を示す。文字盤がきわめて簡易。
- 携帯日時計
- 野外天体観測のため、または宗教的行事を行うために中世に開発された。
- 室内柱型日時計
- アイザック・ニュートンは、南に窓がある部屋用の室内柱型日時計を開発した。これには柱がない。窓から入った光を、固定した鏡で受け止め、天井と壁に文字盤をつくった。指針は、鏡によって反射した光そのもの。鏡が小さければ、光の点となって天井や壁を照らすため、これを利用した。その後、1943年に、オルシュティンにあるニコラウス・コペルニクスの居城オルシュティン城で、同じ原理のものが発見された。このため、室内柱型日時計の発明者はコペルニクスとされる。コペルニクスのものは、城内のある場所に鏡を置くと、反射した光が壁の印を伝うというもの。
- 垂直式日時計
- 建築物の壁にとりつけるもの。この場合、文字盤の目盛りは三角関数を使用して計算されるため均等にならない。板は明るい色が望ましい。これは影が暗いため。棒は、棒でも構わないが、強度の問題があるため、三角形の板状にされることが多い。これをさらに金属で補強することもある。建造物が完全に真南を向いていなくても、設計により補正は可能。
- 赤道式日時計
- コマ形日時計に似た形式のもの。文字盤がボウル状になっているだけで、目盛りの振り方は同じ。赤道式日時計は、第一次世界大戦前まで、フランスで列車を正確に走らせるために使用された。
- 柱型日時計
- 古代ギリシャ人が開発した日時計。水平または椀状の文字盤に、垂直な指針を立てたもので、指針の影の先端が時刻を示す。太陽の高さは季節により変わるため、同じ時刻でも影の先端の位置は変わる。そこで、毎日、同一時刻の影の先端を結んだ線を文字盤に刻めば、補正なしで1年中どの日の時刻も示すことができる。季節により太陽の位置が変化するため、文字盤の表示が複雑になるという欠点がある。通常は、文字盤を2枚用意し、半年ごとに取り替えることで、文字盤の複雑性を回避する。
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