急速進行性糸球体腎炎
急速進行性糸球体腎炎とは
急速進行性糸球体腎炎(きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえん、RPGN、rapidly
progressive glomrulonephritis、半月体形成性糸球体腎炎)とは、急速に進行し急性腎不全に至る極めて予後の悪い疾患の一群を指します。
急速進行性糸球体腎炎の概説
急速進行性糸球体腎炎は、治療しないと数ヶ月以内に急性腎不全で死に至る、極めて予後が悪い疾患です。
基礎疾患による2次性のものが半数を占めます。
急速進行性糸球体腎炎では、腎糸球体が著しく傷害され、半数以上の糸球体に半月体形成が見られます。
急速進行性糸球体腎炎の病態
急速進行性糸球体腎炎では、いずれも基底膜が著しく傷害され、その結果大量の蛋白が流出し、しばしばネフローゼ症候群を合併します。
また半月体の形成や糸球体硬化により腎機能が著しく低下することによって、急性腎不全や高血圧などを引き起こします。
急速進行性糸球体腎炎の症状
- 高血圧
- 全身倦怠感
- 肉眼的血尿・蛋白尿
- 発熱
- 貧血
- 浮腫
- 乏尿
急速進行性糸球体腎炎の原因
- 原発性
- 二次性
- IgA腎症
- ウェゲナー肉芽腫症
- 急性糸球体腎炎
- Goodpasture症候群
- 全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)
急速進行性糸球体腎炎の分類
- 急速進行性糸球体腎炎I型:抗糸球体基底膜抗体型
- 抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)によるII型アレルギーが原因。抗GBM抗体は、糸球体基底膜(Type
IVコラーゲン)のα3鎖NC1ドメインに対する抗体で、蛍光抗体法では糸球体毛細血管に沿って線状にIgGが沈着しているのが認められる。このIgGを認識した白血球が破壊するため、毛細血管や基底膜が傷害される。
- 急速進行性糸球体腎炎II型:免疫複合体型
- 免疫複合体によるIII型アレルギーが原因。基礎疾患としては、IgA腎症、急性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病が挙げられる。蛍光抗体法では毛細血管に沿って顆粒状にIgGとC3補体が沈着しているのが認められる。この免疫複合体を認識した貪食細胞によって、基底膜や毛細血管が傷害される。
- 急速進行性糸球体腎炎III型:pauci-immune型
- 抗好中球細胞質抗体(ANCA)が関与。抗好中球細胞質抗体によってMPO(ミエロペルオキシダーゼ)が分泌され、これにより糸球体毛細血管、基底膜が傷害・炎症を起こすことによる。
急速進行性糸球体腎炎の組織
半月体の形成
急速進行性糸球体腎炎では、基底膜の著しい傷害によって、血漿蛋白が基底膜を通過してボウマン嚢へ漏出する。
血漿蛋白の一つであるフィブリンの漏出を感知したボウマン嚢上皮細胞は増殖し、やがてこれらの増殖したボウマン嚢上皮細胞は糸球体の周囲を覆い圧迫し半月体を形成する。
やがてこれらの半月体は繊維化され、糸球体硬化へと遷移する。
急速進行性糸球体腎炎の検査
急速進行性糸球体腎炎の治療法
- 血液透析
- 血漿交換
- 抗血小板剤
- 抗凝固薬
- 抗血小板剤
- 副腎皮質ステロイドパルス療法
- 免疫抑制薬
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