牽引自動車
牽引自動車とは
牽引自動車(けん引自動車、牽引車、けんいんじどうしゃ)とは、自動車(主に貨物自動車)の形態の一つです。
運転席と荷台や客車が分離できる構造のもので、運転席と荷台が分離できる構造をトラクター(ヘッド、けん引車)、運転席と客車が分離できる構造をトレーラー(被けん引車)と呼びます。
牽引自動車の種類、特徴
セミトレーラー
- 最も一般的なトレーラー。縦列駐車や後退が可能。あらゆる用途のトレーラーに使われる。
- トラクタとトレーラーの両方が連結されることを前提とした構造になっており、連結時にはトラクタの第5輪(連結部分)がトレーラーの前輪を兼ねる。トラクター単体には積載スペースがなく、トレーラー単体には前輪がない。
- フェリーなどに荷物を積み込む際には荷台のみ切り離して運搬することが可能である。
フルトレーラー
- 一台の貨物車の後ろに単体の荷台が連結されたもの。トレーラーの荷重がフルにトレーラー自身にかかる。
- トラクター(フルトラクター)とトレーラーそれぞれの連結部分が可動式(ドリー式)。ルネットアイをトラクターのピントルフックに連結する方式。
ポールトレーラー(奴、やっこ)
- 長尺物の運搬に使われるもので、トラクターとトレーラーが積載物によって連結されるタイプのものを指す。ナンバーは9で大型特殊になるが、運転免許はけん引だけでよい。
- 運搬する長尺物にあわせて伸縮可能なパイプ(ドローバー、ステアリングバー)の先端のルネットアイをトラクターのピントルフックに引っ掛け、けん引車側とポールトレーラ側の各支点にターンテーブル(荷台)を設置し、その2台のターンテーブルの上に荷物を載せて走行する。セミ用とフル用の両方の連結装置を使用し、ポールトレーラー側を逆位相で舵切りさせて内輪差を抑える。
- レール、橋梁、コンクリートパイル、原木、鉄道車両、鉄筋、円柱形重量物などが積載される。積載物の後ろが荷台よりはみ出ることが多い。
牽引自動車の用途・積荷による分類
バン・ウィング型
- セミトレーラー型とフルトレーラー型が利用される。一般的な荷物の輸送に使われる。
- バン型はドライあるいは冷凍車が存在する。
平ボディー型
- セミトレーラー型が利用される。基本的には雨天時でも運搬可能な物が積載される。
タンクローリー
低床式トレーラー
- セミトレーラーが利用される。
- ブルドーザー・ロードローラーといった重機や、巨大長尺物の運搬に使われる。
- 車幅が3mかそれ以上となる車両が多く、狭い道を通行する際には対向車線にはみ出す。
ダンプトレーラー
- セミトレーラーかフルトレーラーが利用される。
- 積載能力が高い。
- 土石採取場からコンクリートプラントまでの原料の運搬などに用いられることが多い。
キャリアカー
コンテナ
- セミトレーラーを利用し、鉄道コンテナや海上コンテナを輸送する。
キャンピングトレーラー(トラベルトレーラー)
- 箱型の居室に生活に必要な装備を一通り整えた被牽引車両。
- 登録されているキャンピングトレーラーのほとんどが海外製であり、扱う販売店が少ないことから、個人輸入も多い。
- 多くは2t未満のライトトレーラーに属する。
ライトトレーラー
- キャンピングトレーラーも含めた総重量2t未満、ヒッチボール式連結器のフルトレーラーの総称。
- 本体重量と積載重量が軽いため、走行ブレーキが簡易だったり装着免除だったりする。連結器が簡易。
- 個人のレジャー使用がほとんどである。
教習車
- 自動車教習所や運転免許試験場で使われる。9mまたは11mのセミトレーラーで、平ボディのシャーシをけん引している。ナンバーを取得していないものがほとんどである。けん引二種免許の試験や教習でも、同じ車両を使用する。
- トレーラーの総重量2t未満の牽引小型トレーラー限定免許(ライトトレーラー免許)は、試験場への車両持込み受験となる。
牽引自動車の規制
道路運送車両法による各種規制
- 全長規制
- セミトレーラー:連結時の長さは16.5m
- セミトレーラー:連結時の長さは17.0m
- フルトレーラー:連結時の長さは19.0m
- 単体トラック:12.0m
- 車両総重量規制
- トレーラー:連結時で36t
- セミトレーラー(〜5m):単体で20t
- セミトレーラー(5m〜7m):単体で22t
- セミトレーラー(7m〜8m):単体で24t
- セミトレーラー(8m〜9.5m):単体で26t
- セミトレーラー(9.5m〜):単体で28t
- セミトレーラー:単体で50t
- 単体トラック:25t
- 1軸当たり重量
牽引自動車の特有現象
- ジャックナイフ現象(トラクターロック現象)
- スピード超過の状態でカーブにさしかかった場合に急ブレーキをかけた時や、急ハンドルをきった時などに起こる現象。トラクタの後部がトレーラーに押されて折れ角が鋭角になり、車両全体としてジャックナイフをたたんだときのようにV字型になる。
- トレーラースウィング現象(トレーラーロック現象)
- トレーラーの後輪がロックしてしまい、野球のバットスウィングのように、荷台が連結部を軸に回転する現象。
- プラウアウト現象(トラクターフロントロック現象)
- カーブなどでもトラクターとトレーラーが一直線になり、車線からはみ出る現象。
- スネーキング現象
- 急ハンドルや急ブレーキ時の他に制限速度の80km/hを超えるような速度で運行すると、追い越し車の風圧などをきっかけとして、センターアクスル式のキャンピングトレーラーなどに起こる。ヒッチボールを支点にして蛇のようにくねくねと連結車両が屈曲運動を起こし操縦不能になる。減速によりスネーキング現象は解消される。
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